悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



一緒に住む前は遠距離恋愛だったため、お互い普段の生活は見えなかった。

しかし一緒に住みはじめた今、一緒に居る時間が増えた分、逆に一緒にいない時間がとても不安になる。

玲士は昨日の夜、それを痛感した。

手錠やら牢やらエイリアンやらについては灯里から説明を受けたものの、自分がいないところで灯里が何をしているのかつい不安になってしまう。

一緒に住んでいるのに、まだ会いたい、一緒に居たいと思ってしまう。

灯里を手に入れたのに、失うことが怖いと思ってしまう……。


――――いつか灯里を失うかもしれない、という不安。


結婚する前は、結婚さえしてしまえばこの不安から逃れられると思っていた。

自分はもう永遠に灯里と離れることはないのだ、と……。


しかし灯里が名実ともに自分の妻となった今でも、その不安はつきまとう。

灯里と結婚した今、もうこれ以上灯里を手に入れることはできない。

あるとすれば……失うことだけだ。

だからなのだろうか、結婚する前より、灯里を失うことに対して恐怖を感じる。



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