悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~




「……ど、どうしたんですか? 宮村さん?」

「実はですね。今日、とあるパーティで麻衣子を僕の父に紹介する予定だったんですけど……」

「……?」

「今、麻衣子から連絡があって。高熱が出て早退したから、パーティには出れない、と……」


貴之は震える声で言う。

灯里は唖然と貴之を見た。

……それは、どうしようもないのではないだろうか?

また別の機会にでも紹介すれば……。

と言いかけた灯里に、貴之は一歩近づく。


「今日のパーティには僕の見合い相手である春川百合も来ることになってまして。麻衣子がいなければ、父はきっと春川百合との縁談を無理やり進めようとするでしょう」

「……は、はあ」

「父はこの縁談にすごく乗り気なので、今日麻衣子を連れて行かないと、僕は春川百合と結婚することになってしまいます」



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