悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~


――――10分後。


タクシーは外堀通りのとある交差点のところで止まった。

タクシーを降り、辺りを見回した灯里の目に飛び込んできたのは……。


「……東京国際フォーラム?」


お登りさんな灯里でもこの建物が展示場だということはなんとなくわかる。

そして、その脇にある看板は……。


『国際機器技術展』。


灯里はその看板を見た瞬間、目を見開いた。

――――これって、確か……。


しかしそんな灯里の戸惑いをよそに、貴之は灯里の腕を掴んですたすたと歩き出す。


「ち、ちょっと待っ……っ」

「行きますよ、水澤さん! 早く行けば早く終わりますからっ」

「いや、だから、ちょっと……っ」


灯里は必死で貴之の手から逃れようと抵抗した。

――――なんだかとてもイヤな予感がする。

というかそれは既に予感ではなく確信に近い。


誰かこの人を止めて――――!!


しかし灯里の願いも空しく、灯里は強制的にパーティ会場へと連行されていった……。


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