純潔の姫と真紅の騎士
「手遅れだった」
「……残念ですね」
「<聖剣士六士>のほうが手を回すのが早くてな、もう残っていたのは灰だけだった」
「……では、次に期待しましょう」
「そうだな。しかし、<聖剣士六士>の上3人を連れてきたということは、そろそろ本格的に戦が始まるな」
「……<聖剣士六士>を倒すことはできるんですか?」
「いや、まだそれは分からぬ。あちらにはシーフーもいるからな」
「……シーフー……」
「<聖剣士六士>を作った者だ。知っているか?」
「……いえ」
「まぁ、あまりシーフー自体は有名ではないからな」
「……あの」
「なんだ?スイレン」
「……<聖剣士六士>とは、どのようにして選ばれるのですか?」
「ははっ。スイレンもとうとう<聖剣士六士>に興味を持ち始めたのか。人の血と肉を見てくれば、強い者に惚れるというが、本当だったのだな」
スイレンはその言葉に表情を変えなかった。
「……そうですね。たくさんの死を見て分かる、強者に惚れる心。<聖剣士六士>に興味を持ちました」
「ふむ。少し嫉妬するな。だが、まぁ少しくらい教えてもいいだろう。<聖剣士六士>は産まれ落ちたそのときから<聖剣士六士>となる」
スイレンが首を傾げると、ダークが笑いを含めた声で説明した。
「<聖剣士六士>には必ずどこかに痣があるのだ。その痣は人それぞれで、例えば……ディティル・カイの場合、剣と鎖だ。鎖が剣に巻き付いている痣が手の甲にある。その手の甲に触れれば、手から剣が出てきたり鎖が出てきたりするのだ。他の五人もこのように痣があるのだ」
「……」
「あぁ。さて……そろそろ朝だ。我は眠る」
「……おやすみなさい」
ダークが眠ったことを気配で確認したスイレンはおそるおそる自分の目に巻いていた包帯をとった。
そして、水晶を覗きこみ、そっと目を開けた。
その目の中には翼の印がくっきりと残っていた。
そんなこと、目の見えないスイレンには分かるはずもないが。
「……残念ですね」
「<聖剣士六士>のほうが手を回すのが早くてな、もう残っていたのは灰だけだった」
「……では、次に期待しましょう」
「そうだな。しかし、<聖剣士六士>の上3人を連れてきたということは、そろそろ本格的に戦が始まるな」
「……<聖剣士六士>を倒すことはできるんですか?」
「いや、まだそれは分からぬ。あちらにはシーフーもいるからな」
「……シーフー……」
「<聖剣士六士>を作った者だ。知っているか?」
「……いえ」
「まぁ、あまりシーフー自体は有名ではないからな」
「……あの」
「なんだ?スイレン」
「……<聖剣士六士>とは、どのようにして選ばれるのですか?」
「ははっ。スイレンもとうとう<聖剣士六士>に興味を持ち始めたのか。人の血と肉を見てくれば、強い者に惚れるというが、本当だったのだな」
スイレンはその言葉に表情を変えなかった。
「……そうですね。たくさんの死を見て分かる、強者に惚れる心。<聖剣士六士>に興味を持ちました」
「ふむ。少し嫉妬するな。だが、まぁ少しくらい教えてもいいだろう。<聖剣士六士>は産まれ落ちたそのときから<聖剣士六士>となる」
スイレンが首を傾げると、ダークが笑いを含めた声で説明した。
「<聖剣士六士>には必ずどこかに痣があるのだ。その痣は人それぞれで、例えば……ディティル・カイの場合、剣と鎖だ。鎖が剣に巻き付いている痣が手の甲にある。その手の甲に触れれば、手から剣が出てきたり鎖が出てきたりするのだ。他の五人もこのように痣があるのだ」
「……」
「あぁ。さて……そろそろ朝だ。我は眠る」
「……おやすみなさい」
ダークが眠ったことを気配で確認したスイレンはおそるおそる自分の目に巻いていた包帯をとった。
そして、水晶を覗きこみ、そっと目を開けた。
その目の中には翼の印がくっきりと残っていた。
そんなこと、目の見えないスイレンには分かるはずもないが。