純潔の姫と真紅の騎士

「ダメです……!ダーク様、ダメです!」

「何故だ……?闇の中に入ってきた者は皆喰うていいのだろ?我の餌であろう?」

「お願いします、ダーク様。その方をお離しください」

「何故だ……?何故、我に反抗する?こやつは我のスイレンを殺そうとしたのだぞ!!!!」

「はい、助けてくれてありがとうございました。ですが、ダメです。殺すのだけは……、やめてください……」

「それだけは聞けぬ。何故、我の願いを聞いてくれないのだ」

「―――どうして……?」

城の中に、ある側近の悲鳴だけが響いた。
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