黒の森と、赤の……。/ ■恋愛シミュレーションゲーム□

司たちと談話

◆気にせず、司と小町屋に別の話題をふることにした。


「なあ司、それに小町屋。
…お前たちできてんの?」


良雄達のほうから聞こえてくる声を遮るように、俺はわざと明るく、意地悪な笑顔で司と小町屋にそう言った。

先に反応したのは小町屋だった。


「なっ!?////
なっ、なに言いだすのよ吉良っ!!
そ、そんなわけないじゃないっ!!////」


即座に運転席のほうから視線を戻し、顔を赤くしながら反論する小町屋。

それに少し遅れて、司も俺達のほうに視線を戻す。

そして嫌悪の表情を緩め、

「そうだよ七夜。
だいたい、そんなこと言ったら志穂さんに失礼だろ?」

と言った。

直後小町屋に向かって、

『ごめんね、コイツがくだらないこと言って?』

…とでも言うような表情で苦笑いしてみせる。


一方、司に笑いかけられた小町屋のほうは、

「あ、あたしはべ、別に、いいんだけどね…////」

と、司から視線を外すように、顔を赤くしたまま、視線の先を裕也の頭上あたりに落とした。


…こいつの反応、わかりやすいな…。


そう思ったが、もちろんそんな危険なことも口にしない。

ちなみに、チラッと裕也の様子も見てみたが、俺達の会話で良雄達の会話が聞こえにくくなったせいか、ホッとしたような表情をしていた。


まあとにかく、当初の “ 楽しい雰囲気を壊さない ” …という目的は達成できたようだ。


……それにしてもなんで、小町屋はさっき、“ 運転席のほうなんか ” 見てたんだろう?

…まあ別にいいけど。


→【16】
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