黒の森と、赤の……。/ ■恋愛シミュレーションゲーム□
鳴神川中学校の修学旅行が行われるのは、毎年7月の下旬。

今年もそれは例外ではなく、旅行当日の今日は7月25日。

一方、オレが鳴中の2年3組に転校してきたのが、今年の4月の始業式。

つまり一年前には、夏樹や小町屋や委員長はもちろん、七夜さんが言うところの『隣りのクラスの恋人』になんて、出会うはずがない。

……ってわけだ。orz


……詐称の彼女いない歴(生まれてから架空の彼女できるまで)を、少しでも短い期間にしてやろうと考えた、俺の致命的ミスやってん…。orz

見栄ミスやってん…。orz


「…追い討ちをかけるみたいでかわいそうだけど、あなたのこと、まだ『転校生』って呼び方をするクラスメイトがいるくらい、 転校して来て日が浅いでしょ、吉良くんは?」


驚きも閃きもしない、『当然でしょ?』とでも言わんばかりの口調で、オレにトドメを刺す委員長。


…この口振り…そして『虚栄』という言葉を即ぶっ放してくれたさっきの態度…。

…どうやら彼女も、司と同じく、最初からオレのウソを見抜いてた…っぽい…。orz


「どう?
理解できたかな、七夜くん?」


そう言って、いたずらっ子のような笑顔を向ける司に、俺は…。


…きええええええええーッ!!!


そのいたずらっ子みたいな笑顔がむかつく!!

もともと可愛い顔してるだけに、余計むかつく!!


…てゆうか、俺みっともなッ!!(`Д(´。)

『彼女いる』とかゆうリアルなウソばれた俺、本気でみっともなッ!!(T皿T。;;
< 109 / 129 >

この作品をシェア

pagetop