黒の森と、赤の……。/ ■恋愛シミュレーションゲーム□
俺は、怒りやら恥ずかしさやら悔しさやらみっともなさで、悶絶死寸前だった。

そんな、顔を赤くしたり青くしたり紫にしたりする俺に、周囲からの誹謗中傷の声が容赦なく浴びせられる。


「すぐに気づかなかったあたしもあたしだけど、あんた、本気でバカなんじゃないの?(呆)」

「七夜、お前本気で痛いわ…」


…きえええええ(ry


再び発狂しそうになるが、ギリギリのところでなんとか持ちこたえる俺。

涙目のせいでひしゃげた視界の片隅に、窓際席に座る裕也の姿が映る。

そして裕也は、俺と目があうと、ニコッと笑った。


…こんなみっともない俺に、優しい笑顔を投げかけてくれた…。


…ああ裕也…。(´ω`。)

君だけは、俺の卑しい虚栄が発覚した時も…

ウソがバレて立場とプライドがまとめて粉々に砕け散った時も…

クソ小町屋やクソ夏樹とは違って、何も言わないでいてくれたね……?(´ω`。)


…そして今も。

こんな本気バカで痛い俺に対して、そんな優しい笑顔を……向けてくれるんだね……?(*´ω`。*)


思わず目から汗がこぼれそうになった時。

暖かな笑顔をたたえたまま、裕也が口を開いた。


「七夜くん、みっともないね♪」


<裕也好感度、-1>


(゚Д゚)


…俺が愕然とする最中。


“ それ ” はあまりにも突然、バスに乗る俺たち全員の身体に、襲いかかった──。


→【244】
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