黒の森と、赤の……。/ ■恋愛シミュレーションゲーム□
…もはや説明するまでもなく、ヘイト(怒り状態の)司とヘイト小町屋からのダブルパンチが炸裂した、かわいそうな俺の頭部なのでした☆(*´ω`。)

そのあともちろん、俺は裕也から引き剥がされ、おとなしく自分の席に強制送還されましたとさ。

めでたしめでたし♪(*´ω`。)


…司と小町屋は、怒りと度を超えた呆れのためか、俺の顔をじとー…と睨んだあと、不機嫌さ丸出しで自分の席へと着席した。


あの顔からするとおそらく、今回の吹き出しの文字は、

『もう二度とするなよ…?(-_-#)』

…だったんだろうな、たぶん…。


ようやく自分の犯した過ち(あやまち)に気づき、席に座ってうなだれる俺に、シャンプーのいい香りが届いた。

何気なく、つられるようにその香りのほうを見る。

するとそこには、少しだけこちらのシートに身を乗り出した、裕也の姿があった。

まだ顔を赤くしたまま、なぜだかどきどきした様子で俺の顔を見つめている。


不思議に思った俺は、

「…ん?
どぎゃんしたと裕也…?」

…と、さっきまで司達に怒られていた余韻を引きずって、凹み気味な博多弁で聞いてみた。

それに対し裕也は、笑うことも呆れることもせず、さっきよりも緊張した面持ちで数秒間黙ってしまった。


……どうしたんだ…裕也……?


不思議がる俺の顔をしばらく見つめていた裕也が、何かを決心したように、一回、こくんとつばを飲み込む。

続けて頬を染めたまま、俺の顔から少しだけ視線をそらし、戸惑いながら小さな唇を開いた。


「…な…七夜くん、あのね…?
『愛してる』とか、その…『結婚』だとか… …あと、男の子同士だとか…
そういうことはよく、わからないんだけどね…?

……ぼくも、…七夜くんのことが…… 」


そこまで言って、言葉を止める。

そして切ないような上目使いで、俺の顔を見つめた。


……え……。


……これって……もしかして……。


裕也が、さっきよりもさらに頬のピンクを濃くし、再び小さな唇を動かそうとした…


──その時。


<裕也好感度、+2>


→【19】
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