黒の森と、赤の……。/ ■恋愛シミュレーションゲーム□
最凶不良との対峙
◆再び意を決して、シートから完全に立ち上がった。
「七…」
司が何か言おうとした…というか、おそらくは俺を止めようとしたんだろうが、俺は、
「大丈夫!
ちょっとだけ、『静かにしてもらえませんか?』ってお願いしてくるだけだから♪」
と、司の言葉を遮った。
そして瞳を潤ませ、半泣きの表情でこっちを見上げる裕也に、
「裕也はここでおとなしく待ってろよ?」
とにっこり笑いかけ、さらさらの黒髪をぽんぽんと二回、なでるように優しくたたいた。
それでも俺の制服から手を離さない、裕也。
俺は腰をかがめ、裕也の手の甲に、自らの手をそえる。
「大丈夫だって!
無理そうだったら、あいさつだけして帰ってくるから♪」
わざと明るい声をかけ、もう一度笑顔をつくり、ふれたその手を優しく包みこむ。
……数秒の沈黙。
その後、不安そうな表情をしながらも、しぶしぶ…といった感じで、裕也の手が制服から離れた。
…よし。
じゃあさっそく、良雄たちにお願いに行ってきますか!
心の中でそうつぶやき、中腰の姿勢から起き上がろうした瞬間、斜め後ろの座席の方向から、その声はかけられた。
「七…」
司が何か言おうとした…というか、おそらくは俺を止めようとしたんだろうが、俺は、
「大丈夫!
ちょっとだけ、『静かにしてもらえませんか?』ってお願いしてくるだけだから♪」
と、司の言葉を遮った。
そして瞳を潤ませ、半泣きの表情でこっちを見上げる裕也に、
「裕也はここでおとなしく待ってろよ?」
とにっこり笑いかけ、さらさらの黒髪をぽんぽんと二回、なでるように優しくたたいた。
それでも俺の制服から手を離さない、裕也。
俺は腰をかがめ、裕也の手の甲に、自らの手をそえる。
「大丈夫だって!
無理そうだったら、あいさつだけして帰ってくるから♪」
わざと明るい声をかけ、もう一度笑顔をつくり、ふれたその手を優しく包みこむ。
……数秒の沈黙。
その後、不安そうな表情をしながらも、しぶしぶ…といった感じで、裕也の手が制服から離れた。
…よし。
じゃあさっそく、良雄たちにお願いに行ってきますか!
心の中でそうつぶやき、中腰の姿勢から起き上がろうした瞬間、斜め後ろの座席の方向から、その声はかけられた。