黒の森と、赤の……。/ ■恋愛シミュレーションゲーム□
「し、白川や吉良と一緒になんか行動したくないんだけど、つ、司くんが行くんなら…
…あたしも行って、あげるわよ…!////」
言い終わるのと同時に、裕也みたいにほんのりと頬を赤くする小町屋。
そして、唇を尖らせた不服そうな表情をつくり、一度だけこちらに目配せする。
<小町屋好感度、+1(※)>
…これが噂のツンデレってやつか…。
俺は苦笑しながら、それでも『小町屋も案外悪いヤツじゃないよな…』と、心の中でつぶやいた。
まあ本心を話せば、俺は小町屋のことが嫌いじゃない。
むしろ、喜怒哀楽が激しくて口も悪いけど、最終的には相手のことを思いやっているコイツが好きだ。
いや、決して、恋愛感情とかじゃなく。
…たぶん。
何はともあれ、全員の意見がまとまり、運転席近くにある夏樹の席に遊びに行くことに決定した。
俺たち4人は席を立ち、司を先頭にして、バスの中央通路を歩きはじめる。
そして夏樹の3つ後ろの座席に着く頃には、翔太たちの話し声も気にならなくなっていた。
たぶん、位置が離れた事がその理由の7割、雰囲気がよくなった事が残りの3割…ってとこだろう。
間もなく、夏樹の座席に到着しようという頃にも、俺は歩きながら気になる事を考えていた。
…それは今、心の片隅にある、不安要素について。
/(※) 好感度の説明は、本編の直前にあります。/