SAKURA組曲
史上最悪の誕生日
『もしお前が・・・』

(私が、何?)


 途切れ途切れに聞こえてくるその声に、私はそう問い返した。

 私を包むのは漆黒の闇で、本当だったら怖いハズなのに、感じるのは恐怖ではなくて、包みこまれるような安心感だった。

 すると、そこに一筋の光が差し込んだ。
 その光は、瞬く間に広がっていき、闇は逃げるように遠ざかっていく。


(待って!まだっ・・・)


 逃げる闇を掴もうと手を伸ばすが、その手はするりと空を掴む。
 そして私自身も光の洪水に押し流されるように、闇の世界からはじき飛ばされた。
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