ずっと大好き…
「花ー」

友達の愛也梨が私の名前を呼ぶ。

愛也梨はきれいな白い肌に栗色の髪。

私なんて健康的に日焼けして、真っ黒な髪。

愛也梨とは真逆なんだ。

そんな愛也梨が

「花って土曜日ヒマ―?」

「あ゛ーーー。ごめんよぉ…その日は
 バレエの夏期講習が…」

そう。私はバレエを習っている。

もう5年目になるのかな。

特技って言っても過言ではないかも。

近所でもわりと有名なスクールに通ってるの。

「あっ。。そっかぁ。じゃあ仕方ないね…。
 花の好きな…守川戸も誘おうと思ったのになー」

 「うっ……し しかたないの!バレエのが大事なの!!」

守川戸っていうのは……私の好きな人…。

私が初めてした片思いの相手。

守川戸豊。サッカーばっかやってる……スポーツ男子ではなくて。

運動神経はイイみたいなんだけどあんまりやってるところを見たことがない。

「しっかたないなぁ。じゃあ今回は中止。主役がいなきゃ意味ないし。」

愛也梨が頬をふくらませる。

「…あ ゴメンね。色々計画してくれたのに。」

「ううん。親愛なる花のためだもん!」

愛也梨は私の恋がうまくいくようにって協力してくれている。

ありがたいな。

「愛也梨、これからも頼りにしてるよ。」

「なーによ。改まって。」

そう言うと愛也梨は去って行った。

私が 守川戸を好きになったのは 2か月前の6月のこと。
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