崩れた雲
図書室には誰か先客がいたようだ。
窓側の近くの机で本を読んでいる蓮の姿があったのだ。
「夕姫、どうかしたのか?」
私のことをただ心配している蓮の姿が
今の私には何とも言えない罪悪感を生み出すのだった。
「蓮・・・。」
私はひたすら心の中で謝り続けていた。
その時蓮は立ち上がって私の目の前に来たのだ。
「夕姫、俺はあの噂信じてないから安心しろ?どうせ誰かが作った話だろ?」
私は何も答えることが出来なかった。
蓮の強い眼差しがさらに私の罪悪感を増したのだ。