実鳥森の少年の初恋
「森の精人界の小鳥?」
メイがびっくりしています。
「うん、ペリドがそう言っていたよ」
言いながら2階にあがっていくジンです。
シチューの準備が終わった母のメイも
いっしょについてきます。
2階にあがって机を見ると
緑色の手袋にくるまってペリドは
寝ているようです。
「あ、寝ている。あの小鳥だよ」
母のメイは、目を見張っています。
そして、ゆっくり口を開きました。
「あの手袋は、どうしたの?」
「あ、あれも、ペリドを見つけた場所で
見つけたんだよ。落とし物みたいなんだ。
でも、なんだか、父さんの手袋みたいな気がして
もらってきたんだよ。不思議な手袋なんだ。
手袋を被せると、たいてい元に回復するんだよ」
母に説明するジンです。
「母さん、あの手袋って父さんのなの?」