実鳥森の少年の初恋
「いいえ、あなたへの父さんからのプレゼントだったの。
あなたが生まれたときにね。父さんが
森の精人界からもってきた手袋なのよ。
あなたは、すごく気に入っていていつも
触って遊んでいたの。でも・・・」
急に苦しそうな顔になるメイです。

「母さん?」
心配そうにみると

「あの事故のとき、あの手袋を追いかけて
あなたは崖から落ちたのよ。父さんはそれを助けて・・・
でも、手袋は見つからないままだったわ。
・・・・

・・・・

・・・・
父さんは、そのまま、実鳥森の精になったのよ・・・」
少しだけ落ち着いた声に戻ったメイが
思い出すように言いました。

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