実鳥森の少年の初恋
(お~、懐かしい。君はメイだね。僕はペリドだよ)
目を覚ましたペリドが話し始めます。

びっくりして固まってしまった母のメイです。

「母さん、大丈夫?」

ジンの声で、はっと我にかえるメイです。
「あ、え、ええ、大丈夫よ。
今、小鳥がしゃべったわよね?」

「うん、母さんにも聞こえるんだね。
人間にも聞こえるということかな?」
独り言みたいにジンが言うと

(いや、メイは、緑石のペンダントを持っているだろう?
だから、僕の声が聞こえるのさ)
ペリドが言います。

「緑石のペンダントのことを知っているの?
あの、私は、あなたに以前会ったことがあるのかしら?
ごめんなさい。覚えていなくて」
メイが申し訳なさそうにペリドに言います。

(そうだったね。覚えていないはずだよ。ローリーたちに
こっそりついて、この実鳥森にきたことが何回もあるんだ。
そのときに隠れて見ていたから。人間にもメイみたいに
心がきれいな人もいるんだなって思ったから
僕は覚えていたんだ。僕のことを知らなくて当然さ)

「ペリド、この森は初めてじゃないの?」
ジンがびっくりしています。
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