実鳥森の少年の初恋
(実鳥森だって気づかなかったんだよ。
今回は、自分から来ようとしたんじゃなくて
間違って落ちたみたいなんだ。きっと結界に
ぶつかったんだろうね。情けない話さ)
自嘲気味に、ぼやくペリドです。
「あの、ローリーたちを知っているの?
もしかしてカンも知っているの?」
おずおずとメイが聞きます。
(もちろんさ。そうか・・・
・・・
ジンはカンの息子だったのか。
それで復元魔法が使えるわけか。半分森の精人というのも
当たっていたね)
「ローリーは、元気かしら?」
(ああ、元気だよ。カンは残念だったけれど
今も、ローリーの心やメイの心の中に
そしてジンの心の中で生きているから)
思い出すかのようなペリドです。
・・・
・・・・
・・・・・
「この森に迷い込んじゃったのね。
戻る方法は、わかるの?」
メイが聞きます。
(いや、まったくわからない。いつもローリーの後ろから
ついてきていたから。困っているんだけれど
ジンやメイと話せたから、良かったかもしれないね。
しばらく人間界を楽しむよ。僕は鳥だから
人間界でも生きていけるしね。よろしく)
ペリドは、楽天的に言います。