実鳥森の少年の初恋
森は、いつもの実鳥森のはずなのに
マイといっしょだと、違う世界に見えます。

木々の間から光がもれてきて
薄い緑色のペリドの体が光ります。

下を見るとどんぐりがたくさん落ちています。

「すごいわ。どんぐりがいっぱいよ」
マイがはしゃいでいます。

(こっちだよ。向こうにも、もっといっぱいあるから)
ペリドが誘導します。

奥のほうへ進むと、木漏れ日が
きらきらと輝いています。

大きなどんぐりの木です。
その下にたくさんのどんぐりが落ちています。

見渡すときれいに紅葉している
木々がいっぱいです。

マイは、大喜びです。
色づいた赤や黄色の葉っぱや
どんぐりを集めています。

ジンも、いっしょに集めます。

「もしかして前は、都会に住んでいたの?
あんまり森とかきたことがない?」

「都会じゃないけど、森とかなかったから
初めてなの。すごくきれいな森ね」

そのとき野うさぎがぴょんとはねて
目の前を走り去ります。

「うわ~うさぎさん。すごいわね」
目を丸くするマイです。

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