実鳥森の少年の初恋
ノブのことが、少し苦手なジンです。
ジンは、ふだんおとなしくてあまり話をしないので
話しかけてくる友達は、ノブくらいですから
もっと仲良くなりたいなとは思うのですが
なかなか打ち解けることができないままです。

だからマイと初めてで
あんなにたくさん話せたのは不思議なのです。
ノブも、それで気づいたのかもしれません。

いつも声をかけてくれるノブは
自分の秘密を知ったら、どうするのかな?
いや、言えないな。他の人にしゃべるだろうな。

うん、秘密だ。マイだけには、いつか
話したいな。わかってくれるかな。

ちょっぴり不安になりながらも
考えるジンでした。



そして放課後、再びマイといっしょに
校門から出て歩いていると

「今日も、デートだったのか?いいな」
ノブが大きな声で、他の友達と横を
走り去っていきました。

下を向いて耳まで真っ赤になるジンです。
マイも、頬が赤くなっています。

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