実鳥森の少年の初恋
「わかった。いくよ」
ジンは、マイに
「じゃあ、また明日ね。詳しくはそのときにね」
告げて走り出しました。

「私も行く」マイが追いかけようとすると
マイの母が止めます。

「マイ、あなたは、もう外も暗くなるし
ジン君も、また明日って言っていたわよ。
夕食を作るのを手伝ってね」
母親は、マイの行きたい気持ちを考えながらも
ひきとめました。

マイも、もう姿が見えなくなったジンとペリドを
追いかける元気がなくて、うなずくと
家の中に入っていきます。

しょんぼりしているマイを見ながら
「きれいな小鳥だったわね。ジン君の鳥なのかしら」

「ええ、ペリドって言うの。おしゃべり・・あ
いえ、なんでもないわ」
マイは、ペリドが話せることは秘密だったことに
気づいて口を閉じます。

< 52 / 71 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop