実鳥森の少年の初恋
「え、君も森の精人なのかい？復元魔法で
助けてくれたのか。そうか、ありがとう」
嬉しそうに起き上がって、まじまじと
ジンを見ます。

「いえ、あの、僕は、半分人間です。半分
森の精人なのです」

「そうなんだ。そういうこともやはり可能なんだ」
なぜか嬉しそうに微笑みながらも
よろめいています。

（３日間は、無理っぽいな）
ペリドがつぶやきます。

「ペリド、君は森の精人界の小鳥だね」

（あ～そうだよ。結界へ案内するよ。
その緑石があれば、通過できるはずだから）
ペリドが落ち着いて言います。

「いや、まだ、人間界に未練があるんだよ」

「未練？」

（でも、その体じゃあ、もたないよ。
出直すことだと思うが・・・）

「もう一度、ここへこれるか自信がないんだ」

「でも、命が大事ですよ」
ジンが言います。

（そうだ。消えかけていたんだから。
今は、ジンの復元魔法で少しだけ復元しているだけだから
出直せば、また、３日間はこちらで過ごせるさ）

しばらく下を向いて考えていましたが
「わかりました。出直します。また、会えますか？
ジンとペリド」
微笑むマリモです。

「もちろん、また会いたいな」
ジンが言います。
< 55 / 71 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop