実鳥森の少年の初恋
ちょうど、そのとき、

「ただいま」

という声がしてお店の横の住居用の玄関から
メイとマイのお母さんの声が聞こえます。

楽しそうな雰囲気です。

あ~~。がっくりするジンです。

真っ赤なマイとジンを見て
「あら、帰ってくるのが早すぎたかしら?」

「いや、そうだ。まだお花選んでないんだよ」

「もしかして忙しかったの?」

「うん、すごく。ジン君が手伝ってくれて助かったよ」

「ジン君、ありがとう」
マイのお母さんが声をかけます。


「いえ、楽しかったです」
照れながら、花選びをするジンです。

マイ達親子に見送られながら
家路につくジンと母のメイです。


きれいなスィートピーの花束を手にして
ジンは、うきうきしていました。


「楽しそうね」


「うん、土曜日に森に遊びに行く約束をしたんだ」
< 67 / 71 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop