実鳥森の少年の初恋

（マイ、ジンの秘密を聞いてあげてくれよ。
そして支えになってやってくれよ）
ペリドが言います。


ジンを見ると顔が真っ青になって
下を向いたまま困っている様子です。


「うん、ジンの秘密を聞くよ。
大丈夫だよ。もしかしてジンは
森の精人とのハーフだったの？」


顔をガバッと上にあげたジンは
マイに秘密を話す決意を固めます。

「うん、今まで黙っててごめん。
これは秘密なんだ。誰にも言わないでほしい。
そうしないと僕は人間界にいることができなくなるから。
僕は、人間としてずっとここで暮らしたいんだ」


そしてジンの父が森の精人だということ

不思議な出会いで母と出会って結婚できて
自分が生まれたこと。

父は、３日に１回は森の精人界へ戻っていたこと。

小さいころは自分もいっしょに帰っていたこと。

自分は半分人間だからずっと人間界にいても
苦しくないこと。

自分が崖から落ちそうになったときに
父が魔法を使って助けてくれたこと。
それが原因で父は森の精になって消えたこと。

一気に話してしまって気づいたら
目から涙があふれていました。

誰かに自分の秘密を話したのは
生まれてはじめてでした。

好きだって告白しようと思っていたのに
自分の秘密は、隠したままでいようとした
自分に少し怒りを感じるジンです。