実鳥森の少年の初恋
マイは、泣いているジンの肩に手をおいて
いっしょに泣いています。


「ジン、話してくれてありがとう。
誰にも言わないから、安心して。
そして、元気をだして。
いつか、森の精人界にも行けるかもよ」


「そして・・どんなジンでも大好きだから・・」
そう言いながら真っ赤になるマイです。


えっと、顔をあげてマイの顔を見つめるジンも
顔が耳まで真っ赤です。


「ほんと?あ、僕もマイのことが好きなんだ。
今日、言おうと思ってて・・


嬉しい。すごく嬉しい。
半分しか人間じゃない僕を好きって
言ってくれて、僕、幸せだ・・」
涙が再び溢れ出すジンです。


(良かったな。マイならわかってくれるって思っていたさ)
ペリドも涙声になっています。


マイが優しくジンの背中をなでています。
ジンは、大声で泣きながらマイにしがみついています。


そんなふたりを見つめながら、ペリドが
マイの方が頼りがいがあるな。うん、ジンもこれで安心だ。
と思っていたのは内緒です。




するとそのとき・・・


ばさばさと大きな音が聞こえてきて
振り返ると見たことがない大きな獣が
よだれを垂らしながら近づいてきています。

(ジン、マイ、大変だ。逃げろ)
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