実鳥森の少年の初恋
「そう、ふたりとも緑色のマントみたいな服を着ていたわ。
そして茶色い髪で緑色の瞳の人と赤い髪で緑色の瞳の人が
不思議な色のコスモス畑に立っていたのよ」

「え、お父さんは外人さんだったの?」
ジンは、びっくりしながら聞きました。
父さんの写真も見たことがないジンは
本当は僕には父さんはいないのかもしれないと
悩むときもあったのです。

「いいえ、違う世界の人たちだったの。
普通は人間には見えないらしいんだけれど
人間のふりをしたかったみたいで
見えるようにしていたそうよ」
思い出して笑っている母のメイです。

「人間のふり?」

「そう、彼らは森の精人界の人たちで魔法を使えたのよ」

「魔法、森の精人界・・」
ジンは、母が言うことばを復唱しながら
小鳥のペリドの言葉を思い出していました。
ペリドは、森の精人界の鳥だって言ってたよな。

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