続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
「忘れてないよね?
私は兄さんのことが好きなんだよ。
一瞬でもいいから私のことを見てよ。
ただの妹なんかじゃいたくないの。」


「見てるよ、メイリンのことちゃんと見てる。
妹みたいに大切な存在ではあるけど、ただの妹だなんて一度も言った覚えない。
彼女がいたから断っただけで、そんな理由じゃないよ。」


...予想してた返答とはまるで違ったもので思わず固まってしまった。

だって、それだったら...チャンスあるかもしれないって思っちゃうよ。

運転中だからもちろん前を見てるんだけど、たまに助手席の私を見てくれる兄さんの優しい目に胸が苦しくなる。



「別れてから告白した時も断ったでしょ?」


「別れてすぐに、はい次っていけるほど、切り替え早くないよ。
メイリン...、俺はまだ彼女のことを忘れられそうにないし、お前の気持ちに応えられるかも分からない。
だから、なかったことにした方がお互いに良いと思うんだ。」


兄さんの言う通りなかったことにして、他の人を見つけた方が、今よりもずっと良いのかもしれない。

同じグループで国籍だって違う兄さんより、もっと楽に付き合える人はたくさんいるはず。

でもね、そんなの嫌なの。





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