続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
「俺はあの時からずっと姉さんを...カスミを大切に思ってきた。
俺も彼女を作らなかったし、俺のせいで彼氏作れなかったでしょ?
だけどそれじゃだめなんです。
さみしいけど、カスミの一番は俺じゃない。」


姉さんに依存していた俺に遠慮して、彼氏も作れなかった部分もあるだろう。

俺はカスミの一番じゃなきゃ嫌で、居場所を失いたくなくて、無意識に縛っていたから。

それにしても、歌わずに放置してある画面から、アーティストの新曲やプロモーションビデオが流れてきて邪魔だ。

大事な話をしているのに、電源から切れないのだろうか。


「違うよ、そうじゃない。
ペーターのせいとかじゃない。
私の一番はずっとペーターだったよ、でも...」


そこで姉さんは一端言葉を切って視線をさまよわせた。

でも、の続きは分かりきっている。

いつまでも曖昧なままにはしておけない。

そろそろはっきりさせなきゃいけないんだ、俺たちの関係を。

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