続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
「ご、ご飯食べに行く!?
ソンミナ飲みたいんだったら、私が運転してもいいし!」


こんな時ぐらい飲んだって兄さんも許してくれるだろうけど、そこは律儀に約束を守る私。

私の言葉にソンミナも行こうって笑ってくれた。

カメラの前以外では久しぶりにソンミンの笑顔を見た気がする。

私も...プライベートでは心から笑っていなかったかもしれない。

ソンミンの笑顔を見てなんだかすごく安心したんだ。

ねえ、もっと早くこうすれば良かったんだね。

今からでもまだ間に合う...?



スタッフが運転に集中していることを確認してから、少しでも気持ちが伝わるようにそっと手を握った。

後少しでアパートについて、そしたらいくらでも二人きりになれるのに、その少しの間も、もう待てなくて。

優しく握り返してくれるその手が、どうしようもなく愛しくて離したくない。
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