続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
親の力でえらそうにしているやつは大嫌いだが、ジェニーの言うことに何も反論できなかった。

むしろここまではっきり言われると、潔いとさえ思ってしまう。

純粋にがんばっている人からしたら、腹の立つ発言かもしれないが、大物になるのは、こういった野心の強いやつだろう。

キレイな方法だけで勝負するのは難しく、多少の汚い手段も成功するためには必要だ。

俺だってジェニーと同じ立場だったら......。

私男の人と付き合ったことありません、なんて顔して清純派アイドルで売っているような女も、裏では体を使って仕事をとっていたりする。

中には口に出しては言えないような手段でライバルを蹴落としているやつもいる。

そこまではしないにしても、コネも何も持たないような人は、自分を下げて媚を売ったりは、やりたくなくてもやらなきゃいけないんだろう。

......うちのリーダーがやってるようにな。


「そうか、がんばれよ。
演技のことは俺には分からないが、お前だったら母親のような女優になれるだろうな」


「うん、ありがとう。
その夢の他にも、もうひとつ夢があるんだ」
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