続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
それから......Miracleを守ること。

しかしそれを口に出すことはできなかった。

今の俺ははっきりとそれが夢だと言うことができるのだろうか。

複雑な思いを抱えていて、以前のように胸をはって答えることができなくなってしまった。

腹の上にいるルンルンをなでてから、俺の返答を待つジェニーの頭をなでてから口を開く。


「なあ、たとえばの話だけど、もし心の底から信頼している人に裏切られたらどうする?」


「絶対許さない。
何倍にもしてやり返す」


「......お前ならそう言うと思ったけど。
そうじゃなくて憎み切れないというか......やっぱりいい。
忘れてくれ」


一体俺はこいつに何を言おうとしているのか。

一瞬あの人のことを口に出そうとして、すぐに口をつぐんだ。


「えー!?そこまで言ったんなら話してよ!
気になって仕方ない」


「気にするな。
愚痴を言うなんて情けないだろ」


「愚痴も何もたとえばの話なんでしょ?」


ああ、こいつは分かっている。

俺が何を悩んでいるのかも大体見当がついているのかもしれない。

それでいて俺が話しやすいようにこんなことを言うのか。
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