続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
ジェニーの言う通り、俺は兄さんのことが大好きだから、愛しているから、だから許すことができないんだ。

ずっと仲間だと思っていたのに、兄さんが一人でやっているように感じて、俺がグループにいる意味なんてないんじゃないかと思ったんだよ。

許せない、だったら俺はどうしたいんだ?

兄さんにMiracleを脱退してほしいのか?
俺が脱退したいのか?


そうじゃない、そうじゃないんだ。


もう一度前のように心から兄さんを信頼したい、兄さんにも俺のことを信頼してほしい。
それだけなんだ。

答えはシンプルなのに。

どうして複雑に絡まった糸のようにほどくことが、解決することが難しい問題のように感じてしまうんだろう。

信頼を築くのは難しくて、壊れるのは一瞬だ。

ジェニーも、俺と似たような気持ちを味わったんだな。

俺はため息をついてから、視線をさまよわせた。
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