続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
「ペーターの方が二つ年下なのに、父親なの?」


「そうなんですけど。
あの人って危なっかしいようなとこあるじゃないですか。

ああ、そうか。俺は放っておけない人が好みみたいです。
イライラするし、面倒なんだけど、気にしてるうちに好きになっちゃうんですよ」


カスミ姉を見習って、俺も前に進もうと手始めに遠回しに告白してみる。

伝わらないだろうけど。


「その気持ちは分かるかも。
私も元カレにお金貸してって言われたり、酔って暴れるたびに、この人には私がついていなくちゃいけないって思ったよ」


それは違う!
思っきりダメ男じゃないか!

ついていなくてはいけないんじゃなくて、離れなくてはいけない男の典型例だろう。

よっぽどせっぱつまっているならともかく、何度も確信犯でお金を借りるような人間は、俺だったら男でも女でもお断りだ。

全く男の趣味が、改善されてない!

イライラしながらも、そう簡単には人は変われないものだとどこかで納得した。
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