続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
私服に着替えてから、スタッフとの打ち上げに行く前に、ライブが始まる前に予告した通り、控え室にメンバーを集めて。

これを見てほしいと言って、人数分コピーしてきた歌詞を書いた紙を全員に渡した。


「事務所からOKもらえるか分からないけど、もし可能ならいつかみんなでこの歌を歌いたいんだ。
さっきの手紙と、ここに俺の気持ち全部込めてあるから」


どうか伝わりますようにと、祈るような気持ちで、真剣に歌詞を見るメンバーの顔を見た。


「私は......歌いたいです。
みんなで、歌いたい」


「曲名長すぎるような気もするけど、俺は好きだよ。
ストレートに兄さんの気持ち伝わってくる」


カスミとヒデの言葉にホッとして、手紙には書けなかったこと、ファンの前では言えなかったことを話す決意をした。
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