続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
カッコよくもなく、優しくもないだめな男だけど、俺だって大切な人の力になりたいんだ。

だから、兄さん。

お願いだから、もう1人で重荷を背負わないでください。

俺にも、背負わせて。


「アジアツアーのこととか...。
それと毎晩のように出かけてるのって、友達と遊んでるって言ってましたけど、関係者の接待みたいなことしてるんですよね?
なんで嘘なんてつくんですか...。
言ってくれたら、俺たちだって...。」


落ち着いて考えてみたら広報のミスなんてそんなことあるはずないんだ。

ツアーのコンセプトを間違えるなんて。

そのこと自体は結果的にはツアーは成功したし、別にいいんだ。

どれだけ台湾に馴染んでいたとしても、結局は俺たちは外国人で、国際的な問題とか...色々批判もあるだろう。

それに、その自国に肩入れする気持ちは分からないでもない。

俺だって外国で活動しているという立場だから口に出さないだけで、オリンピックの時は韓国を応援するし、政治や外交のことでは他国に対して多少苛立ちを覚えたり、熱くなりすぎて、メンバーと口論になることもある。

当たり前だけど、公の場ではそんなことを言うわけにはいかないので、台湾愛してる、日本大好きです、というスタイルを貫き通す。

別に俺は他国の批判がしたいわけじゃないのに、少しでも何か発言すると反日だの差別主義者だの大げさに報道されたり、間違った解釈をされて好き勝手なことを言われるのが面倒だから、何も言わないだけだ。



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