あなたのそばにいたいだけ
出会い
毎日変わらない生活

朝起きて、ごはん食べて、支度して、乗りたくなくても乗らないといけない満員電車に乗って、会社へ行く。

同年代の女からすればもう干からびているというだろうけれど、私こと、宮野明美はその生活に満足していた。

次々と結婚していく同年代がうらやましく思うときもあったが今ではもう、結婚に対する意欲がなくなってきた。

そして変わらない1日が今日も始まるはずだった・・・


「先輩。おはようございます。」

いつにましてのフルメイクで満面の笑顔で挨拶してきたのは、後輩の草道まどか。

「おはよう。まどかちゃん。」

ここの部署は皆が仲が良く、ほとんどの人が下の名前で呼び合っている。

「もう、先輩。今日何の日かわかっているんですか?」

朝からのハイテンションのまどか。

これには朝からはついていけない。

これがなければいい子なんだけど、と毎回思うがそう思いながらも邪見にできないのは明美の性格。

「なにかあるの?」

できる限り今できる笑顔で返すと、まどかはまるでありえないとでも言いたそうな顔をした。

「・・・まどかちゃん?」

軽く放心状態のまどかに声をかけると正気に戻り思いっきり顔を近づけてきた。

「うそでしょ。先輩。知らないんですか。」

まどかのマシンガントークがはじまってしまった。

「今日からくる新人さん。アメリカに留学経験もあって、めっちゃ頭が良くて、運動神経も抜群で見た目も問題なし。という経歴の持ち主。そんな奴に限って性格最悪が一般的ですが、性格もいいそうなんです。もう今から朝礼が早く始まらないかと思ってるんです。」

息継ぎをいつしているのかと思うぐらいの力説。

でも正直明美には興味がなかった。

今まで新人が入ってきても、この部署では長続きしないからだ。

見た目ゆっくりわいわいに見えるが実はかなりのハードスケジュールの部署。

まどかだって何度やめようとして明美に引き留められたかわからない。

そんな部署に来ていくら秀才でも長続きするはずはないとおもう。

と、明美は思ったが最初から決めつけるのはよくないので黙って朝礼が始まるのをまった。

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