五分で恋におちました。
「そこで何してる。」


後ろから声がしたと思った瞬間上に乗っていた男が慌てて逃げていき体が軽くなった。


「大丈夫ですか?」


そう聞かれたが、さっきまでの恐怖で涙が止まらず体はガクガク震え声が出ない。


「ボタン、はめれますか?」


そう言われて自分を見ると、男にブラウスのボタンを外されたため下着が丸見えの状態になっていた。


私は慌てて起き上がりボタンを閉めようとするが手が震えてうまく閉めれない。


「そのままの格好でいるわけにいかないし……。僕が閉めますよ?」


そう言って私に近づきブラウスに手を触れボタンを閉め始めた。


なるべく私に触れないように気をつけながらボタンを閉めてくれているのが分かった。


優しい人………。


さっきまでの恐怖心が少し解れてやっと言葉を発することができた。


「あ……ありがとうございます助けて下さって………。」


「そんな事、当たり前ですから。」


その時私は初めて助けてくれた男の人の顔を見た。


体中に電気が走った。


暗くてはっきりと見えないのにものすごく整った綺麗な顔だということは分かった。


さっきまでこの人にブラウスのボタンをはめてもらっていたかと思うと顔から火が出そうになった。





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