あなたの体温で癒して・・
俯いたまま、

駐車場に向かっていると、

誰かとぶつかった。

「すみませ・・・」

「昨日はどうも」

「・・優理、ここに何しに来た」

「もちろん、あなたの

悔しがる顔を見に」


そう言って笑う優理。

・・・

どうやら、この事をけしかけたのは、

優理だったようだ。

「オレが悔しがる?

笑わせるな」


「なっ?!」


「悔しくとも何ともない。

オレは医者が続けられるなら、

どこだってかまわない・・・

オレの医師免許が無くなれば、

悔しがっていたかもな?」


そう言ったオレを見た優理の方が、

明らかに、

悔しそうな顔だった。
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