あなたの体温で癒して・・
「美晴・・・

今まで黙っててゴメンな」

・・・

いつの間にか医局に戻っていた

孝明が、

私の後ろに立っていた。

「どうして、

教えてくれなかったの?」


「・・・」


「孝明は腕のいい内科医なんでしょ?

島の診療所に行くなんて・・・

もしかして、私のせい?

前に、教授の娘さんの結婚を

断ったから・・・」


「・・・とりあえず、

落ち着ける場所に行こう・・・」

・・・

泣き出した私の手を掴んだ孝明は、

休憩室に向かって歩き出した。

・・・

中に入り・・・

私を見つめた孝明が、

私の涙を拭った。

そして、

そっと優しく抱きしめた。
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