たったひとつの、ちいさな愛。
はじまったのは、あやふやで。
はじまりは、いつもとつぜんで。
わたしはいつものように、暇潰しに
SNSサイトを徘徊していた。
よく見かける名前を見付け、指を止める。
"ん…この人、よく見るけど…
変な名前だなあ……"
独創的というかなんというか、
不思議なハンドルネームの人。
暇だったし、プロフィールに飛んでみた。
"神崎……大翔、
これで「やまと」って読むんだ…"
"優しそうな人…
同じ学校だし、追加しとこう"
これが、神崎大翔とわたしの
長い物語の、短い幕開け。