”キレイ”な愛
開けられた窓の陰の手すりに腰をかける。

シガレットケースを出すと、くちびるにくわえた。

煙をホテルの庭園へと吹き出すように飛ばし、自分の所作に笑った。

木々が連なり、森のように見える。

片足を腰掛けている手すりに上げ、膝に頬杖をついた。

布地のたっぷりした裾の長いドレスだから、足が見えることも無いだろう。

そう思っていたが、声がかかった。


「すごいカッコね」


知っている声だ。
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