”キレイ”な愛
混乱していた記憶は10日ほどで戻った。

でも二人の間を流れる空気は変わらなかった。

涼の心情があきらかに引いているのに、どうすればいいのかわからなかった。

こういう場所に来れば、と思ったのだけど。


「ちょっと飲んでくる」

「未成年だろ」


綺樹は片眉を軽く上げて、いつも涼に言われる言葉を返した。

涼はくつくつと笑った。


「すぐ帰ってくる」

「無理だな」

「1時間ぐらいだ」


それ以上空けると、綺樹が部屋を出て何をしでかすか不安だ。
< 156 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop