”キレイ”な愛
11.
  *
集中治療室の前にさやかと尚也が立っていた。


「兄貴は?」

「さきほど、手術室からここに移ったところよ。
 手術自体は成功したから、あとは意識が戻るかどうかね」


綺樹はふっと息を吐いた。


「ありがとう」

「いいえ」


さやかは静かに答えた。


「本当は助からないはずだったんだけど」


綺樹は不審そうにさやかの顔を見た。
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