”キレイ”な愛
「搬入されたこの病院の医者に、助けられる人はいなかったのよ。
 あなたに相談する余裕は無かった」

「どうしたの?
 言い訳なんか絶対しないだろ?」

「あなたをクビにしたわ」


綺樹が唖然としてさやかをみつめた。

窓から入ってくる光の加減で瞳がゆらゆらと揺らめいている。


「どうして?」

「この手術が可能の医者はウルゴイティの者だった。
 あなたが条件だったのよ」


綺樹に継げと圧力がかかっているスペインの家。


「違うわね」


さやかは少し皮肉っぽい笑いを作った。
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