”キレイ”な愛
「どういう意味だよ」

「傍から見れば目を反らしたくなる程、露骨に祖父を誘う女を祖母に、父親が誰かわからない子を産む女を母に持つ女に、継がさなくてはいけないなんて、我が一族も終わりだな」


綺樹が大きく一つ深呼吸した。


「ミスターフェリックス。
 綺樹の母親は父親が不明な子を生んだことは無い」


静かに言ったのは尚也だった。

こういう人を怒らせると怖いんだよな。

涼は思った。


「失礼」


フェリックスは簡素に謝って尚也から視線を外した。
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