”キレイ”な愛
綺樹は煙草をくわえると、両手を軽く上げた。


「誘ってない」

「わかってるわよ」


噛みつかれて、綺樹は肩をすくめた。


「手におえないからやめなさいって言ったのに」

「私は猛獣?」

「珍獣ね」

「うわっ」


綺樹は肩をすくめた。


「そうね。
珍しいから、一度寝たら満足するかもしれない」

「ライナ。
 全然冗談に聞こえない」

「本気よ」


ライナのような整った顔が、半目で見降ろすと迫力がある。


「火傷は若い内にしておいた方がいいし」


苦笑しか出てこない。
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