”キレイ”な愛
綺樹は肩をすくめて、背を向けた。


「綺樹さん」


聞きなれない声に振り返る。

わざわざ肌を日焼けさせ、白い歯を見せて笑っている男が立っていた。

確か、食品輸入業をしている桐島と言っていた。

内心でため息をつく。

嫌いなタイプだ。


「やっと捕まえられた。
 あなたは本当に人気者ですね」


さわやかさを装う口調に、背中がかゆくなる。

綺樹は曖昧に微笑した。
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