”キレイ”な愛
程なくして着いた綺樹のマンションは、3階建ての重厚な造りだった。

ヴィンテージマンションだ。

起きる気配がないのに、抱え上げた。

手伝おうとした運転手を帰してしまうと、クラッチバックに入っていた鍵でオートロックを開けた。

先ほど秘書の言葉を鸚鵡返しに呟いていた301号室に入って寝室を探す。

手前の二つのドアは外れだった。

奥の扉はリビングだ。

涼はしばし足を止めて窓の外を眺めた。
< 30 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop