”キレイ”な愛
5.
 *

目を開けると、白いシャツが見えた。

意味がわからなくて、凝視する。

目を上げた。

相手が誰だかわかると、綺樹は両手を突いて、上体を起した。

二人とも服を着たままだ。

ほっとした反面、どことなく残念さを感じたのも事実だった。

自分の気持ちに苦笑いし、綺樹は寝室からそっと出た。

シャワーを浴び、普段着になると、再び寝室に入って、涼を揺すった。


「涼。
 朝」

「ん」


寝返りを一つ打って、目を開けた。

体を起こして、立てた膝に肘を突いて、頭を支える。

その姿勢で再び寝てしまったかと思ったら、また動いた。
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