”キレイ”な愛
  *

「よく食うな」


感心して眺める。

涼のリクエストはファストフードのモーニングセットだった。

自分の分を食べ終わった後、殆ど口をつけていない綺樹の分まで平らげている。


「育ち盛りだし」

「どっち?
 縦?横?」


コーヒーをタンブラーでかき混ぜながら、笑って聞く。


「まだ、縦だ」

「楽しみだね」


大してそう思っていない口調だ。


「どこか行きたいとこは?」


綺樹は片方の眉を上げた。


「私に用事があるんじゃないの?」
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